そもそも小学生時代に書かされる「将来の夢」的作文には、いつも「作家になる」と書いていた。
広島時代はその気持ちが最高潮に強くなった。
たまたま最近、広島時代ともに遊んだ友人に「『ライ麦畑でつかまえて』は読んだか」と訊かれたので思い出したのだ。
ライ麦も読んだけれど、実際サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』や『フラニーとゾーイ』の方が好きだった。
きっとよくあるケース。
小学生の頃『ファウスト』に共感し、作家になると決めた。本が好きだった。今でもなぜ作家になっていないことが不思議なほど。
一応書いてはみたんですけどね・・・
一度新人賞の一次選考に残ったことがある。けれど、それだけ。
今やびっくりするほどの才能がたくさん並んでいる書店に行き、ため息をつくこともあるけれど、それはそれで。
その大いなる夢も大切にとっておこうと思う。
笑い飛ばしてはいけない。
大事な大事な思いだから。