映画や本や食べ物について書くのが、実は苦手。
自分の狭い世界観をさらけ出すのは、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしいから。
それでも書かずにはいられない映画や本や食べ物がある。
「ハーブ&ドロシー」もその一つ。
一般的な公務員の夫婦が現代アートの著名なコレクターになるんだよね、という浅い前知識だけで観た。
いやあ、面白かった!
アートとの付き合い方の一つを教わった。彼ら夫婦の在り方を通して、生き方も教わった。それがめっぽう面白かった。声をあげて笑うほど楽しかった。
いろんな才能があるけれど、こんな才能もあるんだと。
しかも才能はもとからそこにあるもので、能力開発とかなんとかってまったく関係ない。
ただ、その自分の才能を発見して発揮するのが人生じゃないかと。
自分が面白い、美しいと思うままに行動することが幸せなんじゃないかと。
ああ、いったい自分は何をやっとんのかいなと。
ハーブとドロシーの才能にわくわくする。
二人が集めに集めたアート作品や、付き合い、見守り、育ててきたアーティストたちにわくわくする。
小さなアパートに積み上げられた4000点以上のアート作品に目をみはり、彼らの生活を支えようとしたお金すら作品の購入にあててしまう、そのマインドに笑いが止まらない。
人生は自分のもの。
二人が生きた二人独自の世界観に浸った時間は格別だった。