広島に住んでいたことがある。
学校を卒業したての、楽しいような寂しいような中途半端な時代。
こじらせ女子は、かなり遅めの思春期を迎え(?)、見るもの聞くもの触るものすべてを鋭敏にうけとめ、その鋭い刃先に自分自身が傷ついていたころ。
小さな繁華街からの朝帰り、霧の街を歩いた。七つの川が流れる街だからか、やけに霧の夜が多かった印象が残っている。
今夜わたしの住む街は、なんとなく靄のようなものがかかっている。靄なのか?と思う程度の湿り気だけど。
ふと、広島にいたころの自分を思い出す。
恋に右往左往していたころの自分。
若くて浅はかだったころの自分。